使用レポート]


新春特別使用レポート Palmax PD-1000 [99/1/6]

ミニノートでジマン自慢
Palmax PD-1000

やっぱ,タッチパネルでしょ!

[Text by : 木本 豪]

Palmax正面写真

■Palmax PD-1000とは?

 PalmaxPD-1000,そんなマシンきいたことないって?台湾Palmax社によるWindowsミニノートブックなのだ。大きさ・性能的には東芝Libretto 70とほぼ同等なんだけれども,最大の特長は,ポインティングデバイスがタッチパネルであることなのだ。マウスのかわりに,ペンで操作できる。

 そんなのザウルスでもできるよとか言わないでほしい。Windowsノートパソコンでタッチパネルとキーボードを兼ね備えたのはPalmax PD-1000ぐらいしかなかったのだ,わたくしが買ったときは(今は富士通のFMV BIBLO MC VIII 23(http://www.fmworld.ne.jp/product/hard/bi/index.html)がある)。以下では,Palmax PD-1000を単にPalmaxと表記する。

■Palmaxとわたくしの出会い

 そもそもそれは1998年6月にさかのぼる。

「ああ,ノートパソコン欲しいな」

 欲しいけれども買う気にはなれなかった。なぜかといえば,ポインティングデバイスが気に入らない。「なんとかポイント」とか「かんとかパッド」とかどれも使いにくいものばかりだ。PDAでは当然のように採用されているタッチパネルがなぜノートパソコンにないのだ!

 そんなとき,PC Watchの報道でPalmaxのことを知った。Librettoサイズでタッチパネル。これだ! 欲しいぞ! でも台湾まで買いにいくほどクレージーになれない。指をくわえて写真を眺める。

 10月には,千葉幕張で催されたWORLD PC EXPO 98にてPalmaxの実物を触ることができた。もうれつに欲しいぞ。でも国内販売はまだ先のことだという。

 11月,我慢できないくらい欲しい。「Palmaxを台湾から輸入して国内販売するような物好きなお店はないかなあ。そうだ,T-ZONEなんか物好きそうだよな」

というわけであてずっぽうでT-ZONEに電話をかける。

「もしもし。Palmax PD-1000ありますか」「はい。あります」

 ビンゴ!やったぜ!

■Palmaxのタッチパネルの使い心地

 Windowsをペンで使ってみれば,これが自然なユーザーインターフェイスであると実感できる。画面にあるものをつっつけば,それでクリックしたことになる。あたりまえだ。あたりまえすぎて涙がでるよ(うそ)。

 右クリックはどうするの? 本体背面に「右クリックボタン」があるのでそれを押せばよい。それを押せば確かに右クリックはできるのだけど,右ドラッグができない! どうやってもできない。どうしても右ドラッグが必要なときは「ユーザ補助」コントロールパネルで「マウスキー」の機能をつかうしかなさそうだ。なんとかならないかなこれは。

 残念なことにPalmaxのタッチパネルは,あまり精度がよくない。上下左右に3ドットくらいの誤差のゆらぎが常にある。ペンのデバイスドライバを最新のものに入れ替えたら生まれ変わったように調子がよくなった。ドライバが誤差をソフトウェア的に補正するらしい。

 ペンで操作と聞くと,手書き文字認識はどうなのかという人がいるけれど,キーボードがあるからそんなものはいらないのだ。たしかにPalmaxを買うと手書き認識ソフトがついてくるし,MS IMEを使えば日本語も手書き認識できる。でもわたくしは使わない。

■Palmaxに日本語版のWindowsをインストール

 わたくしが買ったPalmaxにプリインストールされていたのは英語版のWindows95。そのままでは日本語が使えない。

 マイクロソフトからInternet Explorerの日本語化キットをダウンロードしてみると,Windows 95が英語のままでもInternet ExplorerとOutlook Expressの中でだけ日本語が使えるようになった。でもやっぱり物足りない。こうなったらWindows自体を日本語にするしかないでしょう。

 問題がひとつあった。CD-ROMドライブがない状態でどうやって日本語版Windowsのインストールをするか,だ。わたくしがPalmaxを買ったお店では別売CD-ROMドライブは入荷していないので手に入らなかったのだ。WebでLibrettoのユーザーさん達のページを拝見すると,おおっ。参考になるぞ。もう1台,CD-ROMがつながった別のマシンを用意して,ネットワークでつなげばいいのだ。なあんだ。簡単なことじゃん。

 Windows 98日本語版とネットワークPCカードを購入して,いざ,インストール。英語版Windowsからsetup.exeをダブルクリックすると

「言語が違うから続行できません」

このときは一瞬,意識が遠のいた。気を取り直して,WindowsからではなくDOSからsetup.exeエンター,とやったら問題なく立ち上がった。

 契約に同意するか? ときいてくるおなじみの画面。当然,「◯同意する(A)」を選択しようとするのだが! 画面をつっついても反応しない?そりゃそうだ。タッチパネルのデバイスドライバがロードされていないから。キーボードから「Alt」+「A」を押して解決(Tabキーでも可)。

 Windowsが立ち上がったら,PalmaxのWebページからとってきたデバイスドライバをインストールすれば手順としては終了。しかし,それではすまなかった。

■Windows98日本語版は調子が悪い

 実は,Windows98日本語版に入れ替えたPalmaxは,調子が悪くなってしまった。

 特に致命的なのが,「Suspend to disk」(Librettoでいうところの「ハイバネーション」)から復帰したあとにPCカードを抜き挿しすると必ずクラッシュすること。かんべんしてくれよ。

 試しに古いWindows 95の日本語版に入れ替えてみたら,これが調子いい。「98」がだめで「95」がOK。なぜ? PalmaxのWebページにはWindows 98も使えると書いてあるのにい!

 しかたがないのでWindows 95日本語版でしばらく使うことにした。でもね,これじゃ,せっかく本体についているUSBポートが宝の持ち腐れだよ。

■自慢の種としてのPalmax

 そういえばだれかが言ってたな。

「ノートパソコンはスポーツカーと同様,使うためにあるのではなく自慢するためにある」

自慢するためのPalmaxのチャームポイントは3つ:

・タッチパネルであること

・小さいこと

・色がパープル

 実際に初めてこれを見た人はほぼ間違いなく「Librettoか?」と見間違える。色がパープルのために「バイオ?」と口走った人もいる。東芝が最近始めた「カラーリングサービス」で紫色に塗ってもらったLibrettoと信じて疑わなかった人もいる。

「いやいやちがうんですよ。これはパーマックスと申しましてな,ふぉっふぉっふぉ」

 わたくしはとにかくタッチパネルを強調する。

「ほうら,ペンで操作できるんですよ。画面にファイルがあったらそれをたたけばクリックです。自然なユーザーインターフェイスでしょう。どうぞ触ってみてちょうだい」

 しょせんLibrettoもどき,という態度をとる人には,

「本体にUSBがついてるんですよ」

と,自分では一度も使ったことのないポートを強調してみたりする。

「台湾製の輸入ものでね,オプションとか手に入らなくて」

もったいぶった苦労話をすると,人によっては尊敬のまなざしでわたくしを見る。うっしっし。

 相手が冷静になってきたら,潮時だ。右クリックや右ドラッグはどうするのかとか,そういえば富士通もペンのノートパソコンを出したよねとか,そういうことを言われないうちにカバンにしまうべし。

■西暦200X年

 わたくしは予言する。そう遠くない将来,こんな会話を聞くことができるでしょう。

「じいちゃん,マウスって何」

「昔はのお,表示デバイスとポインティングデバイスは別じゃったんじゃよ」

「うそつけじじい。そんな不自然なユーザーインターフェイスがあってたまるか」

□リンク

台湾Palmax社:
http://www.palmax.com.tw/
Palmax社のオフィシャルサイト。英語のページと中国語のページがある。英語でメールを出せば返事がもらえる。

T-ZONE:
http://www.t-zone.co.jp/
わたくしがPalmaxを買ったのは,秋葉原のT-ZONEミナミ館5F輸入PC売り場。

Palmaxとわたくし:
http://mypage.goplay.com/kimoto/pencomputing/pencomputing.html
わたくしによる,Palmaxのページ。


蓋を閉じたところ。一見Librettoの色をVAIO色にしたようにしか思えない。

それなりに大きなキーボード。キー入力は好みの部分もあるだろうがそれなりにしやすい。

片手でもってみた。重量は909gなため,さほど重いという感じではない。

USBを内蔵している点に魅力を感じるユーザーも多いだろう。周辺機器もそろいつつある。

ポートリプリケータをつけてみた。各種の入出力のインターフェイスがある。

バッテリが右上,ダミーカードが左下にある。つくりは,洗練されているとはいいにくい。

PalmaxPD-1000仕様
プロセッサ Cyrix MediaGX 120MHz
OS Windows 95英語版
メモリ 32MB(最大64MB)
ディスプレイ 640x480,16ビットカラー,TFT液晶
タッチパネル 抵抗膜式
内蔵ハードディスク 1.6GB
本体サイズ 214x124x37mm(wdh)
重量 909g
バッテリ 1.5から2時間,リチウムイオン
本体I/O PCMCIAカード,赤外線,マイク,イヤホン,USB
ポートモジュール経由I/O シリアル,パラレル(フロッピー兼用),専用CD-ROM,PS/2マウス,PS/2キーボード,外部モニタ
別売オプション CD-ROMドライブ,フロッピーディスクドライブ,大容量バッテリ
価格 148,000円(秋葉原T-ZONEミナミ館調べ,1998年12月現在)

木本さんの楽しさも苦しみもつまったレポートでした。より,詳細な情報は,木本さんのページにありますので,そちらもご参照下さい。



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