[製品紹介


IDO/SONY C305S使用レポート [2000/3/22]

こばりん

 愛用していたJ-PHONEのDP-203が壊れてしまった。いや,使えなくなったわけではなく,アンテナがねじ曲がってしまっただけなのだが,無理に元に戻そうとすれば折れてしまいそうだ。
 どうしようかとしばし悩んだ後,@niftyもPacketOneに対応した事だしと,新たな携帯電話を購入することにした。

 しばらく前から,C305Sは2月末発売予定と広報されていたようだが,2月25日につくば市の石丸電器で予約し,商品の入荷連絡が有ったのは3月3日だった(東京のショップでも3月3日に一斉に店頭に並んだらしい)。
 購入したのはやや渋目の色彩になっているC305SBB(グレー)で,他に携帯電話スタンダードカラー(?)のC305AB(シルバー)がある。価格は事務手数料込みで9,800円。同時に予備の電池を5,300円で,PacketOneカードアダプタも24,800円で購入した。DoCoMoなどと比較して通信カードアタブタが倍近くし,割高感がある。

 店頭のモックを手にとったりしてすでに感触は確かめていたが,愛用していた(かなり古い)J-PHONEのDP-203と比較すると随分と小さく,かつ軽くなっている。この小さなボディで待ち受け時間200時間,通話時間200分のバッテリを搭載し,600件のメモリダイヤル(アドレス帳),100件のスケジュール,200件のCメールを記録でき,かつ64Kbpsでのデータ通信やEZアクセスにも対応している。DP-203が当時としてもすでに軽い方では無かったので違いが際だっているのだろうが,改めて携帯電話の進歩の速さに驚いた。

■早速通話してみる

 店頭で手渡されたC305Sで早速通話してみる。
 通話の相手はNTTの加入電話で,音声はかなり明瞭。DP-203を使っていた時よりも相手の話が聞き取りやすく感じた。高音質を全面に押し出しているだけあって悪くはない。ただ,通話した相手の背後で鳴っていたTVの音声が歪んだノイズとして聞えたこと,全体に妙なエコー感があることが気になったといえば気になった。DDIのPHSでも時々妙なエコー感が生じることがあるが,それよりは軽い感覚で,こちらはどうやら常時この音質らしい。総合的にはPHSよりやや落ちる程度の音質だろうが,実用的にはまったく問題なく,かつPHSよりも受信状態が安定しているために使い心地はよい。

 場所を変え,腰を落ち着けて本体機能の設定やEZアクセスを試してみようと思った私の前に立ち塞がったのは,4冊で合計900ページにもおよぶ膨大な量のマニュアルだった。本体の取り扱いマニュアルが450ページ,本体EZアクセス編が150ページで,この他にEZアクセスのマニュアルが2冊付属している(一部英語での記述も含まれるので,これをすべて読まなければならない訳ではない)。どうりでパッケージが重かったはずで,最近はPCソフトでもこれだけ盛大にマニュアルが付属した物は滅多に見かけない。
 機能が増えた分,マニュアルも厚くなっているのだろうが,マニュアル慣れしてない人にこの量はかなりつらいのではと思う。私の場合,ざっと目を通すだけでも1時間近く要してしまった。

 マニュアルをナナメ読みした後で,本体機能の設定に入る。時間やロック番号(C305Sの保護されている機能を利用するための暗唱番号)など,最低限必要な設定は「設定」アイコンから「セットアップ」を実行することで可能で,その他の細かい機能やEZアクセスの設定は別途行う必要がある。なにしろ機能が多く,EZアクセス関連も含めると結構な設定項目の数で,マニュアルの記述が的を得ていない部分もあり,簡単にすべての設定が終わるというわけにはいかなかった。

 C305Sには大きめの4階調白黒液晶が搭載されている。バックライトはオレンジ/グリーンの好きな色を指定することが可能で,私の目にはオレンジの方がより見やすく思われた。このバックライトは常時点灯の他にナイト点灯などのモードを選択することができる。
 まだあまりコンテンツを見ていないので,EZアクセス利用時の4階調液晶の威力はよくわからない。通常のテキスト表示ではコントラストも鮮やかだ。待ち受け画面で指定できるアニメーションや壁紙などは非常に綺麗に4階調表示される。

 表示フォントは割と見やすいが,本体操作時のフォントサイズが固定なのは残念。EZアクセス時にはフォントサイズの大小を選べるので,できれば本体操作時の表示でもサイズを選べるようにして欲しいものだ。視力に問題がある私には操作時のフォントはかなり見づらい。小さな文字が並ぶメニューなどは何が書いて有るのか判別するのにも苦労してしまう。

 操作関係は,大きめの液晶を搭載している関係からか,ダイヤルボタンが本体の下の方に固まっている感じで,かつボタンも小さく,やや押しにくい印象がある。電話番号ぐらいなら何の問題もないが,長文のMailをこれで入力するのは相当つらい(長文のMailを携帯電話で書く方が間違っているのか)。

 操作系としては普通のボタンの他に,3Dジョグダイヤルとジョグポインタを装備しており,マニュアルを見る限りではこの両者の機能はかなり重なっているようで,多くの場面でどちらを利用しても同じ操作が行えるようになっている。
 実際の操作でダイヤルボタンに親指が届く位置で本体を(右手で)握ると人指し指が3Dジョグダイヤルに届かないので,おそらく文字入力時はジョグポインタを利用する設計なのだろう。ジョグポインタ自体は4方向+押し込みの5つのアクションが行えるのだが,押し込むつもりで方向操作してしまったりして使い勝手はいまひとつ。

 C303CAやC304SAではEZアクセスボタンが有るが,C305Sではジョグポインタを1秒以上押し続けることでEZアクセスを起動することが可能だ。専用ボタンではないが特に不便は感じない。
 細かい不満はあるものの,全体としてはまずます操作しやすくできており,機能ごとのキーの割り当てにも大きな違和感はなかった(EZアクセス利用時にはまた別の感想があるのだが,それは別の機会に述べたい)。
 いずれにしろ,左右非対称なデザイン(左側に3Dジョグダイヤルがある)ので,利き腕によって操作系の評価は大きく分かれると思う。

■重量とサイズはどうか?

 携帯電話を選ぶ時に,実は本体の重量やサイズと同じぐらい気になるACアダプタの重量/サイズだが,C305Sの物はかなり小型で,かつ持ち運びやすい形状になっている。ただし,ソケットに差し込む時には結構横幅を必要としてしまうので,ビジネルホテルのベッドサイドのコンセントなどではしっかり差し込めないことがあるかもしれない。
 本体にACアダプタを直接挿してしまうと,充電中はデータ通信が行えなくなってしまう。そのような場合は付属のクレードルを経由してACアダプタを接続する。
 このクレードルには,本体を受ける口の他に充電池だけを差し込む口がひとつあって,電池だけの充電も行えるように設計されている。電池の充電ソケットには跳ね上げ式の蓋が取りつけられているのも嬉しい。

 C305Sには,最大100件のスケジュールが入力可能なスケジューラーがあり,タスクリストが存在しないのでPIMとまでは言えないものの,スケジュールに連動してメモや電話番号を表示し,表示された電話番号にワンタッチで通話可能になっている。もちろん,指定時刻でのアラームも可能で,簡単なスケジュール管理ならEZPIMを契約しなくても,これで充分だろう。
 また,着信音は7つのサウンドと7曲のメロディを標準で持っており,この他に10曲の自作,あるいはEZアクセスサービスのひとつ,EZget!などでダウンロード入手したメロディを登録することが可能だ。これらのサウンド・メロディは通常の着信音の他に3つのグループと3つの個別電話番号に対して指定着信音として設定することもできる。
 他に,待ち受け画面を内蔵のイラストやダウンロード入手した壁紙,時計表示から選べたり,ボイスメモやメモ帳等の機能も搭載している。

 メモリダイヤルには最大600件の電話番号が登録可能となっているが,これは200名分のアドレス帳に各々3件の電話番号が登録できるようになっているため,600件とカウントされているらしい。1名につき3件登録された各々の電話番号はリスト上ではアイコンで識別する。アドレス帳には住所氏名,勤務先の他に,E-Mailアドレスを1名につき2件まで登録でき,これはEZアクセスを用いてE-Mailを出す時などに利用できる。

■文字入力はなかなか便利

 E-Mailなどで比較的長い日本語文書を入力することも増えていると思われるが,C305Sに搭載されている辞書はなかなか優秀で,ちゃんと文節変換も行っているらしく,変換操作ではあまりストレスを感じることはなかった(これまで使っていたDP-203の辞書が「事故」も変換できないのに噺家の名前は大量に登録されているシャレの判る辞書だったのでなおさらそう感じるのかもしれない)。辞書には電子Mailの友(?),顔文字もちゃんと持っているのだが,すべて全角で作成されているのはいただけない。が,辞書に登録されていない語句で,普段よく使う物は最大10個まで登録しておくことが可能なので,ここに半角文字で作った顔文字を登録しておけば問題ない(もちろん,こんな用途に使わずにもっと有意義な語句を登録する方がほとんどなのだろうけれど)。
 入力機能としては,この他に定型文入力機能があり,よくある応答Mail(「遅れます」「問題ありません」など)の入力やドメイン名入力の一部(「.ne.jp」「.or.jp」など)を簡単に入力することが可能だ。

 C305Sには,この他にも多くの機能が搭載されており,そのすべてを紹介することは困難である。おおよその使い心地のレポートになってしまったが,今後も気がついたことなどがあれば捕捉して行きたい。

[製品情報] C305S
http://www.ido.co.jp/cdmaone/keitai/305.html

・アイ・オー・データ機器
http://www.ido.co.jp/

本体と充電器。クレードルを利用しなくても充電器のプラグを本体に直接差し込んで充電が可能だ。充電中は本体右下のLEDが充電状態を表す ACアダプタ。ブレードは(写真の)左側に収納できる。バッグなどに入れて持ち運ぶ場合,一緒に入れたものを傷つける恐れがないので嬉しい設計だ

本体下部。充電器/データ通信用のソケットがある。ゴム製の蓋は本体に繋がった状態なので外してなくしてしまうことはない 本体左側。上からイヤホンプラグ,3Dジョグダイヤル,ロックスイッチ。どれかのキーを長押ししてロックする方法と異なり,専用スイッチなので着信時のロック解除が素早くできる

本体をクレードルに入れて立ててみた。クレードルの右横に充電器のコネクタがささるソケットが用意されている。
 この状態でクレードルを倒せば本体底の充電器/データ通信用ソケットにケーブルを接続することが可能だ。
クレードルと充電器。クレードルの上に見えるのはバッテリー充電用の差し込み口で,これは蓋が閉まっている状態 クレードルに別売の電池パックを挿したところ。差し込み口の蓋は後ろに跳ね上げてある。蓋の下にLEDがあり,バッテリーの充電状態を表示してくれる

 携帯電話やPHSなどは実際に長期間使ってみないとわからないことも数多くあります。機種の違い,キャリアの違い,場所の違いでさえかなり差がある場合もあります。こばりんさんに使用感を語っていただきます。


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