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Visor日本国内発売(?)記念:初心者はVisorを日本語化できるのか? [2000/4/20]

こばりん

 今回私の相方が,Visor(Handspring社のカラフルなPalmOS互換機)をさる有名なPalm使いにしてデジタル界の女王様ことPさんに譲っていただいた。嬉しさのあまり「ふしぎなおどり」を踊って私のMPを根こそぎ奪ってしまった相方だが,ふと正気に戻ると,実は大変な問題があったのだ。

 『Visorは日本語化されてない』

 譲っていただく前に「J-OSを入れて日本語化してくださいね」と教えを受けていたので,取りあえず良く考えずにJ-OS IIIxを通販で入手。自力で日本語化を行うことにしたらしい。果たしてPalmには全くの初心者である彼女に日本語化は可能なのか?以下はその観察レポートである。

・ハードリセットってナニ?

 Pさんと新横浜ラーメン博物館でお会いして,受け渡しを行った時のこと,親切に日本語化の注意事項や手順を説明していただいた後,「J-OSをインストールしたらリセットスイッチを押してくださいね」と教えていただいた。

 その後,相方と2人になった時に彼女は「リセット押したらデータ全部消えちゃうんじゃないの? 変だよねぇ」と真剣な顔で質問してきた。
 よく聞いてみると,「リセットスイッチを押す」と「ハードリセットがかかってしまう」と思っているらしい。いや,「ハードリセット」と「ソフトリセット」の違いを理解していないのだ。「リセットを押したらすべて消えてしまう」というのは時計やラジオのリセットからきた発想らしい。

 カシオペアやJornadaなどのWindows CEマシンもそうだが,本体のどこかにあって,針でつつくような構造になっているリセットスイッチは,じつはソフトリセットスイッチで,これを押しても本体のRAMに入れたデータやアプリケーションは消えないことになっている(往々にして消えてしまったりもするのだが,それは事故ということで)。これに対して,ハードリセットとは,本体RAMのデータもすべて消去し,出荷時の状態に戻してしまうことをいう。Visorの場合,ソフトリセットはリセットスイッチを単独で押し,ハードリセットはPowerスイッチとリセットスイッチを同時に押すことになっていた。添付マニュアルが英語(あたりまえ)だったこともあって,理解できなかったらしい(*1)。PDAを使ったことがない彼女らしい発想だった。

・まず準備

 Visorの日本語化は,「Visorの飼育記録(http://www1.odn.ne.jp/palmbreeding/)」というHPにくわしく解説されており,それに従って先に購入したJ-OS IIIxの他にいくつかのファイルをHPからダウンロードした。
 必要なのは,Palm Desktop3.0.1日本語化パッチRelease1,WSP,Visor用ローカライザ,VisorDateBook+用ツールといったところ。それぞれのファイルの存在場所も記入されていて大変助かる。ここは彼女にも難なくこなすことができた。

・パッチってナニ?

 彼女はMacユーザーで,Windowsは勤務先でちょっと触っている程度(*2)。DOSに関してはまったくの素人。
 その彼女が今回,Visorの日本語化を私のWindowsマシンで行うことにしたのには,彼女の愛機(PB2400とPF6410)いずれにもUSBが付いておらず,かつVisorに標準添付されたクレードルがUSBで,シリアルクレードルが品薄で入手困難だったためだ。シリアルクレードルは4月頭現在,まだ入手困難らしいのでVisorの導入を考えている人は自分のマシン(OSも含めて)がUSBを装備しているか確認した方がよいだろう。

 作業は,まず母艦となるWindowsマシンに英語版のPalmデスクトップをインストールする。この時,COMポートを使用するか聞いてくるので,Visorの場合は(USBクレードルなので)使用するのチェックボックスを空にしたままUSBポートにクレードルを差し込み,インストールを実行する。が,この時シリアルポートを使わないと指定しているにも関わらず,COM1は利用できない(使用したPCではたまたまCOM1はモデムが使用していた)との通知が出てくる。
 インストールに失敗したのかとあわてたらしいが,実際はマニュアルを読むと,USBクレードルを利用する場合にはCOMポートを使用しないと指定した上で,使用していないCOMポートを選択しておかなければならなかったらしい。

 デスクトップのインストールが終わったので,次はその日本語化作業。作業はパッチを当てるだけの簡単なものなのだが,相手はWindows初心者なので,DOS用のCOMファイルでパッチを当てるだけでもひと騒動になった。特に,私の環境ではZIPファイルに直接拡張子関連づけされた解凍アプリケーションが用意されていないために,より困難さが増してしまったらしい(卓駆★上でZIPファイルを選択してF10を押せばよいだけなのだけれど)。

 さらに,パッチ当て作業の中にDOS窓上でWSPを使ってデスクトップの日本語化を行う部分があり,DOSコマンドにほとんど触れたことがなかった彼女の混乱は最大値に達してしまった。
 用意されたパッチファイルのいくつかに,ターゲットファイルの日付が異なっている物があるらしく,これにはWSPを使用して日付チェックを無視してパッチを当てる操作を行ってやらなければならない。
 このあたりのことは,日本語化HPに大変親切に解説してあったのだけれど,読み手側の力量不足を補うことはできなかった(たぶん,単純なキー入力の間違いがパッチ当て失敗の原因だったのだろうと思う)。結局助け船を出して,デスクトップの日本語化はなんとか終了した(*3)。

・インストーラがない

 デスクトップの日本語化に成功した(ちょっぴり手伝ってもらったけど)ので,次は本体の日本語化を行う。J-OSのマニュアルには「インストールするファイルを選択して」としか書かれていないのだが,彼女はそれをインストーラを使って行う作業だと理解したらしい。ところが,CD-ROMや圧縮ファイルの中には「インストーラ」は存在しなかった(*4)。

 正しくは,PC側のデスクトップのインストール/日本語化が成功した時点でVisorとは日本語環境で接続可能になっているので,J-OSのCD-ROMの中から必要なファイルを選択してVisorに転送するだけでよい。Palmデバイスへのインストールに慣れたユーザーから見れば当たり前のことなのかもしれないが,初心者には混乱を招いたようだ。
 実際には,デスクトップの日本語化が済んでしまえばしめたもので,後の処理はデスクトップ上でファイルを選択し,Visorをクレードルに載せ,シンクロボタンを押すだけ。最後にソフトリセットを行ってVisorは無事日本語化された。
 この後のローカイズ作業は特に引っかかる所もなく終了した。

・日本語化を終えて

 初めて手にしたPalmデバイス(Visor)を,パソコンにもPDAにもほぼ素人が,曲がりなりにも自力で日本語化できたのは,J-OSをはじめとする日本語化ツールやデータ,丁寧に日本語化方法を解説してあるHPの存在による所が大きいと思う。文中では多少まごついたりした所も紹介したが,これは解説をきちんと読まなかったり判らないことをよく調べずに対処しようとしてしまう方(笑)に問題がある。彼女にできたのであれば,日本語化作業は決して難しくはない……と思う。
 いずれは日本語化されたVisorが登場する日があるのかも知れないが,それまで購入を待つ必要もないのではないだろうか(*5)。

・おまけ

 無事日本語表示をしたVisorをローカライズしたり,ダウンロードしたアプリケーションをインストールして遊んでいた所,突然画面にしま模様が出て,ペン入力を受け付けなくなってしまった。慌ててソフトリセットをしても状況は改善されない。ついには意を決してハードリセットを敢行したのだが,それでも表示もペン入力も回復しない。
 思い余ってPさんにMailを出し,Visorの修理を行える場所を質問した後で,「もしかしたら電池?」と新しい電池に入れ換えたところ,Visorはあっさり復調してしまった(御騒がせしました>Pさん)。電池のゲージはFull状態を表示していたのだが,本当の原因は何だったのだろうか? 以後,同様の現象は発生していない(*6)。
 もしかして電池が古かった(笑)?

・以下は被観察者のいい訳(笑)
(*1)というより英語だから敷居が高そうで読んでない(笑)
(*2)「ちょっと触っている程度」ってのは,終了と再起動のためにWindowsキーを押すくらい(笑)
(*3)だってMacでのパッチってそれをダブルクリックするだけで,Macが自分で何とかしてくれるんだもん
(*4)気分としては「インストーラはどこっ!?」「インストーラがないっ!?」って感じ(笑)
(*5)今年の連休明けには日本でも販売が始まるという話もあり,日本語化もそう遠くはないのではないでしょうか
(*6)いったい何の現象だったんでしょうね(笑)。とりあえず私は連休明けにシリアルクレードルを買うぞ(笑)

・handspring
http://www.handspring.com/

「デジタル界の女王」ことPさんにサインしていただいているvisor。サインはバラして内部にしていただいた。奥に見えるジョッキが一部で有名(?)なゆずサワー その手元のアップ

visor本体。ケースとカバーは外してある。黒いのが付属のスタイラスで,その隣が(背景の関係で色が見にくいが)本体とお揃いの色のHandspring社製別売スタイラス。さらにその隣がsimplecom社製「すたぼQ」 visorを付属のUSBクレードルに載せた所

 私もPocket PostPetを借りてきた時に,カミサンに設定をお願いするという企画をたてたのですが,観察者が風邪でダウンしてしまっていて実現しませんでした。MS-DOSの知識を持つ人も減ってきているのでしょうね。楽しい読み物ありがとうございました。先達の苦労にも感謝しないといけませんね。


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