[コラム]


Appleのサブノート,過去・現在・未来 [99/8/2]

第4回「iBookは魅力的か?

飯嶋淳 POWERBOOK NEWS
officer@powerbook.org

第一回 第二回 第三回

 先日開催されたMacintoshのお祭り,MacWorld Expo New York 1999で,Appleが1年あまり前から発表を約束していた,コンシューマ向けのポータブルが発表されたのは,Mobile Newsnの読者の皆さんもご存知のことだろう。

・iBookについての資料:
http://www.apple.com/ibook/
http://www.apple.co.jp/ibook/

 皆さんはどんな印象を持っただろうか?おそらく大きくて退屈なノートパソコン? それとも,キュートな斬新なデザイン?

 iBookの最大の特徴は,すでに1年近く販売されているデスクトップパソコン,iMacと同じく,外部インターフェイスはUSB,モデム,Ethernetだけ,ということだろう。Windowsの世界では考えられないようなインターフェイスの省略である。正直言ってPowerBookユーザーにも信じられなかった。PCカードスロットがないのだ! サイズに目をやると,DELLのフル装備のノートパソコンよりも大きく,重さは3Kgと重く,そのくせディスプレイは800×600ピクセルの12.1インチと決して大きくはない。言ってみればこれは,持ち運ぶことも『可能』なiMacなのだ。

 そんなもの誰も買わないよ,と思ったあなたは,コンシューマではないということである。いつもノートパソコンやWindows CEマシンを持ち歩いて仕事に使っているビジネスマンや,携帯電脳マニアのロードウォリアーにはどう考えても不要の代物だ。Appleにとっては同社のユーザーの中でもコアなユーザーである,PowerBookを使っている人たちを『いかに』裏切られるかが,iBookの成功のカギだったのかも知れない。かつてはノートパソコンの中でも人気機種だったPowerBookも,現在のシェアは非常に少ない。昨年出荷されたPowerBookも全世界で20万台を超える程度だろう。しかし,AppleはiBookを50万台出荷しようと考えている。今までのユーザーに訴えかけるようなものでは,成功は望めない。新しいユーザーの掘り起こしが重要なのである。

 iBookには,Airportというワイヤレス機能がオプションで追加された。これはLucentTechnologiesの技術を受けたもので,AirPort Base StationというWireless-Ethernetブリッジが用意される。このStationにはモデムも用意されており,iBookユーザーは家庭内でどこでもiBookを持ち歩いて,自由なスタイルでインターネットを楽しむことができる。これは『iMac to Go〜持ち運べるiMac』というコンセプトのiBookにとって重要なテクノロジーである。これまでそれほど注目されてこなかった2.4GHzのワイヤレスLANは一気にお手頃な価格になり,家庭に入り込むことになるだろう。

 モバイル優先ユーザーにとっては物足りないiBookだが,このノートパソコンは史上空前の売れ行きとなるかも知れない。幅広いターゲットに訴えかけるデザイン,おそらく20万円以下に設定される価格。丈夫な匡体は,昨今の銀パソブームの対極に位置し,子供が落としたくらいではびくともしない(らしい)。ジョブスのマジックはまだまだ続きそうだ。

●飯嶋淳とPOWERBOOK NEWS
http://www.powerbook.org/army/japan.html

長距離通勤の車中で執筆活動からホームページの制作まで行う異色のライター。PowerBookとネットワーク関連の記事を中心にMacintosh専門誌に寄稿している。(株)ディアイティ勤務。PowerBookに関する情報を発信するPOWERBOOK NEWSを主宰するとともにMacintoshユーザーグループPOWERBOOK ARMYの代表を務める。

●POWERBOOK ARMY
http://www.powerbook.org/japan.html

POWERBOOK ARMYはApple Computerのノートパソコン,PowerBook関連の情報を公開しているウェブマスターと情報提供者によるユーザーグループ。

iBookにはがっくりきた口ですが(まあ,予想されていた通りのスペックだな,とは思ったけれど),結構売れるような予感はしています。iBookが売れてくれれば,次に本当に日常的に持ち運ぶ気になるMacも出てくるのかもしれませんね。



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