[コラム]
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週刊連載 Mobile Little Things [2000/9/29] 彩音五郎(kouha@chaos.to) 今回はPalm系のPDAで最も注目をあびているソニーのCLIEについてである。また,カラー版でなくモノクロのモデルであるPEG-S300についてとなる。ハードウェア,ソフトウェア,コンテンツと3回に渡って紹介させていただく。 さて,いきなり余談であるが,現在の私の持ち歩くモバイル機器の中にはPalm系の物は入っていない。いわゆるモバイル機器はPsionとザウルスの組合せというのがメインである。しかし,Palmが嫌いとかいうわけでなく,今回のCLIEの前にも3つのPalm系のPDAを使用していた。Palm Pilot Professional,Workpad,Workpad c3などである。これにCLIEを加えると4台も所有したことになる。日本においてはPalm系は決して安価なPDAではないが,それをこれだけ所有したという所で,Palm嫌いでないということは理解していただけると思う。 しかし,私のモバイル機器の使用においてもっとも重要な要素は,メールの送受信と文章の作成である。そうなると,やはりメインに据えるマシンはキーボード付きの物となる。Psionをメインのマシンとし,サブのザウルスはコンテンツの閲覧や音楽を聴いたりといったことに使用していた。 今回,CLIEを導入することにしたのは,このサブのコンテンツビューワとしてのザウルスを置き換えることができるのではないかと思ったからだ。ザウルスはコンテンツビューワとして非常に優秀ではあるのだが,現在私が使っているMI-P10は白黒液晶でバックライトがついていない。そのため,昼間は良いのだが夜の会社の帰り道(駅から家までの長くて暗い夜道)などではコンテンツを見ることができないのだ。暗い夜道では音楽でも聴いておけばよいのかもしれないが,このように物書きをやっていることもあり,文章を読んだりする方が好きなのである。 CLIEでは音楽を聴くことはできないが,テキストベースのコンテンツはもちろん,ザウルスのマンガビューワのようにマンガを見ることもできるようになっている。また,白黒のみであるが動画なども表示できるようになっている。ソニーも専用のコンテンツ提供用のサイトを用意するなどなかなか気合いが入っている。 さて,このように一般の人とは少し違う理由で入手することになったCLIEだが,私のこの要望に応えてくれたであろうか。 ■ カラーでなくモノクロにした理由 私がCLIEを入手したのは,ソニーのコンテンツが楽しみだったというのは上に書いたとおりだ。その理屈でいくと,コンテンツを全て表示できるカラー版を入手するというのが本当であろう。 CLIEは初回の入荷数がそれなりに多かったせいか,大阪の日本橋のあたりでは販売日当日にいけば予約なしでも購入できたし,翌日でもカラー版の在庫のある店がそれなりにあった。店頭の展示品も豊富に用意されており,かなりさわることができた。 私も当初はカラー版を購入しようと思っていたのだが,店頭で見て考えを変えることになった。カラー版の液晶は暗すぎるのだ。バックライト搭載とあるが,バックライトがついていることがほとんどわからないくらい暗い。照明の明るい所ではそれなりに綺麗に見えるが,ちょっとでも暗いところだと非常に見にくい。 購入時に3店舗ほど回ってみたのだが販売している店員も混乱していて,電源ボタンを長く押してみてから「ああ,すんません展示品なんで故障してますわ」,箱を開けてマニュアルとにらめっこして「すいません,マニュアルにバックライトの点灯のしかたがのっていなので,わからないですソニーに問い合わせて見ます」,色々といじくり回してから「バックライトは搭載されてないですね,カタログの間違いみたいです」などと様々なコメントを聞くことができた。 その後ソニーが液晶が暗いのは仕様ですという発表をしていたが,販売店やユーザーからこのような質問が多く出たためであろう。 まあ,昼間の屋外などでは見やすいので,暗い屋内や夜間は使わないというコンセプトなのかもしれない。しかし,バックライト搭載ということであれば暗いところでも使えるのではないかと思うのは人情というものである。カタログの作成のしかたなどを工夫して,もっとユーザーや販売店が混乱しないように注意して欲しいものである。 カラーモデルとモノクロモデルの価格差が実売で5,000円程度しか違わないため,販売の主力はカラーモデルと思われるだけに残念である。 と,まあこのように色々とカラーモデルをいじくり回したあげく,モノクロのモデルを購入することにした。ちなみに,購入したのは「ソニーに問い合わせて見ます」といった販売店である。 ■ 新しく追加されたハード1−−ジョグダイアルの使い勝手 PalmOSを採用した採用したPDAだけあって,使い勝手は非常によい。基本的な使い勝手の部分は連載で以前にふれたことがあるので,くわしくは書かないがスピーディで目的の情報に素早く到達することができる。最近はPalm系のものはさっぱり使っていなかったが,久々に使うとこのスピード感にびっくりしてしまう。パソコンの連携が強調されがちなPalmだが,やはりこのスピード感もNo.1を維持している理由の一つではないかと思う。 さて,その使い勝手をさらに向上するためにつけられたジョグダイアルであるが,評価としては「まあまあ」といったところである。 私はソニー製のボイスレコーダや携帯電話を使っていた経験があり,特にボイスレコーダは長く使っていたため,ジョグダイアルには慣れているし,なかなか好きな操作感であるため非常に期待していた。 実際,ホーム画面でのソフトの選択や,スケジュールでの画面切り替えや曜日の選択,電話帳での項目の選択など,なかなか便利に使うことができる。特にPalmscapeなどを使っているときの画面スクロールなどは非常に使い勝手がよい。 しかし,Palmの操作感覚からすると,少し違うんではないかという気がした。ホーム画面からのソフトの選択はできるが,ソフトを選択した後にホームに戻るにはやはりホームボタンを押さないといけないし,ソフトの切り替えもできない。 要するに1つのソフトの中では使い勝手がよいのだが,複数のソフトを切り替えて色々と参照しながら使用するには不便ということだ。 ジョグダイアルを使用する場合は,しっかりとCLIEをホールドできるので,安定して持つことができるが,しっかりホールドする分,普段のPalmの持ち方をするときはやや持ち替えが面倒というのもある。 上記のように単体のソフトの中で使用するには使い勝手がよいので,あくまでも補助用といったことになるのであろう。だが,新しい要素であるためにまだまだ練りこみが足りない,操作感としては私も好きな方であるので,もっと魅力的な操作感になるよう期待したい。 ジョグダイアルの近くに,ザウルスなどに見られるようなホームに戻るボタンなどを付けてくれるなどすると,もっと使い勝手がよくなるかもしれない。 ■ 新しく追加されたハード2−−メモリースティックスロット 今回から外部ストレージとしてメモリースティックスロットが使用できるようになった。ただし,ソフトやデータを色々と入れ込んで,内蔵メモリと同様に使用できるということではなく,あくまでも内蔵のメモリとデータのやりとりができるという程度のものである。そのため,ソフトを使ったりするにはデータを内蔵のメモリにコピーしないといけないのだ。 予定ではストレージだけでなく,デジカメやGPSなどの色々な展開があるらしい。しかし,今のところはストレージだけである。こちらの評価としては,可能性を秘めているものを評価するにはまだ早いといったところであろう。 ただし,店頭で購入できるバージョンの物に添付されているメモリースティックには,ブラウザやメーラ,辞書などがすでに入っており,なんとパソコンとシンクロさせなくても,インターネットの接続などのことができてしまうのだ。これはなかなかよいことだと思う。パソコンがなくとも便利に使用することができるのだから。 このような点から総合的に評価するなら,今回のメモリースティックスロットはなかなかよい物だといえる(まあインターネットショッピングで入手した人はオプションを購入しないとこの恩恵を得られないわけだが)。 ■ 今回新しく追加されたハード3−−モバイルコミュニケーションアダプタ これはなかなかよい物である。Palm系はコンセプトからすると当然ではあるのだが,通信系が弱かった。しかし,このように通信機能を標準添付することによって,その弱い部分をかなり補っている。 通常の電話回線は使用できないものの,携帯電話もPHSも使用できるため,日本国内の仕様としては十分な物であろう。ただ,cdmaOneには対応していないのが残念である。 こうやって見てみると,ハード構成的に従来の,パソコンと連携させてこそ効果を発揮するというPalmのコンセプトと若干違うということを感じる。もちろんパソコンと連携させても効果があるのは従来通りなのだが,単体でも便利に使用できるという所が違っていると感じる,これは単純によい方向だと思う。 まあ,ソニーのPDAということで,パソコンはないけどとりあえず買ってしまったとかいう人でも,通信したりソフトを楽しんだりできるようにしているのではないかという考えもある。 ■ ハードのまとめ Palmに新たな要素を加えてはいるが大きさはそのままというCLIEは,Palmの中でもなかなかお勧めできる機種であると思う。ただ,カラー版には上記のような問題があるので,選択するならモノクロ版がよいように思う。 そして,カラー版にもモノクロ版にもいえることなのだが,文字入力エリアの滑りがよくなっているため,文字入力がしやすくなっているように感じる。ここらへんは好みの問題が大きいのだが,私の所持するWorkpadよりずいぶんと使いやすい。ここも細かい点ではあるが評価したい。 モノクロ版ということを考えると若干高価な印象があるが,モバイルコミュニケーションアダプタが標準でついていたりと,なかなかお買い得感はある。 予算に余裕があるならCLIEを選択するのはなかなかよいのではないかと思う。 次回は添付されているソフトの使い勝手などについてレビューさせていただく。 ■ 関連するリンク ・PDA Style ・CLIE Plaza
HP100LXに始まり,HP200LX,ザウルス,Palm,MobileGear,Psion,Windows CEを渡り歩き,現在は Psion S5mx をメインで使用している。 PDAの他にもデジカメ,携帯電話,ミニノートPCなど小さな物に目がない。つねに多数の携帯電脳を持ち歩く,肉体派Mobiler。現在カバンに入れているアイテムは以下のとおり。 Psion S5mx / Zaurus ICRUISE / MobileGear II R730 / Digital IXY Hyper Hyde / MicroDrive / NM502i / KX-PH933Sこれらの紹介についてはいずれ。 kouha@chaos.to 今までに使用したマシンの遍歴についてはこちら。
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