[コラム


週刊連載 Mobile Little Things [2000/11/10]

第二十一回:PsionでWeb! UniFEP環境用プロクシTonsUP

彩音五郎(kouha@chaos.to)

 今回はPsionを使用して日本語のWebページを閲覧することのできるソフトウェアであるTonsUPについて紹介をさせていただく。

■TonsUPとは?

 TonsUPは,Epoc32デバイス上で動作させ,標準添付のWebや,次期標準となる予定のOperaなどのブラウザのプロクシとして指定する事により,ShiftJIS/JIS/EUCなどの各種日本語エンコードで記述されたWebページをUTF8に変換し,UniFEP V2環境下で閲覧可能とするソフトウェアである。名前の由来は「(To)特に(n)何も(s)しない(U)UniFEP環境用(P)プロクシ」と言うことであるそうだ。

 要するに,このソフトウェアを導入することにより,Psionで日本語のWebページを閲覧したり,掲示板への書込をしたり,検索エンジンなどを利用して日本語で検索をしたりといったことができるようになる。

 UniFEP V2となりEmailは日本語化された物の,Webの日本語化はされなかった。このソフトウェアの登場は,Psionユーザーにとって朗報であり,電子メールソフトであるXJMailと同様のインパクトのあるものである。

■TonsUPでできることできないこと

 TonsUPでできること

 ● 日本語Webページの閲覧が可能(要UniFEP V2)
 ● 掲示板への書き込みが可能(要UniFEP V2)
 ● 検索エンジンでの日本語での検索が可能(要UniFEP V2)

 TonsUPでできないこと

 ●SSLでの接続
 ●MIMEでのフォーム送信

 大きくは,上記のようなものである。また,現在は試験公開版であるため,細かな制限事項も多くある。たとえば,<ブラウザ側で転送をキャンセルされると,それを認識できない(TonsUP側とブラウザ側の双方で転送をキャンセルする事で回避可能)><日本語エンコードの自動認識は"charset"の指定がされている場合のみ><RFCに即した適切なHTTPエラーメッセージを表示できない><DsLink経由での接続時に接続先のサーバがContent-Lengthを指定しない場合に,データ転送の終了を検出できない>などである。

 動作速度は元々Psionのブラウザがそれほど高速ではないことと,変換に若干時間がかかるため,高速とはいえないものである。しかし,このクラスのマシンに搭載されるものと比較すると,十分なスピードであるといえる。

 Operaブラウザを使用した場合,一部の文字がエンコードが正しくても文字化けすることがある。しかし,この問題について作者の方がOpera社に問い合わせたところ,次のOpera for Epoc Ver.4.0ではUTF-8/16に対応するとのことだったので,この問題もじきに解決するであろうと予想される。

■ 注意事項

 TonsUPは現在は試験公開版であるため,実装やデバッグが不十分な部分がある。しかし,UniFEP V2環境下で日本語Webページの閲覧が可能であるという事を皆さんに知っていただくという意味も込めて公開されている。

 制限事項があるということを認識した上で,使用をしてほしい。

 なお,作者の方ははS5mxのみで動作確認されているが,revoでも動作している。

■ インストール

 まず,UniFEP V2が問題なく動作していることと,WebやOperaなどのブラウザが導入されていることが必要である。そして,Keith Walker氏によるCDescriptor.opx,CSocket.opxをインストールしておく必要がある。Keith Walker氏のサイト(http://www.starship.freeserve.co.uk/)よりCDescriptor.opx,CSocket.opxの"MARM SIS file"をダウンロードし,同様にインストールしておくこと。ブラウザであるWebは標準添付のCD-ROMの中に,OperaはOperaのサイト(http://www.opera.com/epoc/index.html)からダウンロードする。

1.以下のページよりデーターをダウンロードする。
http://www.ask.ne.jp/~cars/psion/TonsUP.shtml

2.ダウンロードし解凍したファイルをPsionに転送してダブルタップするか,PsiWinもしくはMacConnectでPsionとPCを接続した状態でSISファイルを実行する。

■ 設定

 今回は,Psionの次期標準ブラウザであるOperaを利用するものとして解説をさせていただく。

 まずOperaを起動し。
1.Menu > Proxy server settingsを選択。
2.Use Proxy serverの項目にチェックを入れる。
3.Proxy serverの項目に<localhost>と記入。
4.Portの項目に<8080>と記入。

以上で基本的な設定は終了である。Webの時も同様に,Proxy serverの設定をすれば良いだけである。

■ 詳細な設定項目

 自動的に認識するエンコードは,以下の通りである。chasetに()内にあるキーワードがあった場合,()の前にあるエンコードで自動認識する。
Shift-JIS(SHIFT_JIS, SHIFTJIS, X-SJIS, MS_KANJI),EUC-JP(EUC-JP, EXTENDED_UNIX_CODE, CSEUC),JIS(ISO-2022-JP, JIS(上記Shift-JIS以外で)),UTF-8(UTF-8, UTF8)

 上記のようにchasetが設定されていない場合は,TonsUP上でエンコードを指定する必要がある。TonsUPのMenu > Tools > Encodingで,適切なエンコードを指定すること(オンラインで見ていた場合は,適切なエンコードを指定してからブラウザ側で再読込すれば,きっちりと表示される。)。

 また,従来プロキシ経由でブラウザを使用していた人は,TonsUPで外部プロキシを指定することにより,経由することができる。Menu > Tools > Preference > External Proxy内にて設定することができる。

■ 最後に

 日本語Webページを閲覧するという目的は達成しており,非常に有益なソフトウェアである。Psionを利用してインターネットへの接続をしている人にはぜひ導入をお勧めしたい。

 従来PsionではWebを日本語で見ることができなかったため,出先で資料を確認するときなどは,どうしてもノートパソコンなどに頼らざるを得なかった。しかし,このソフトウェアの登場により資料確認もPsionで行うことができるようになった。まだ試用版であるため,頼り切るわけにはいかないが,このまま完成度が高まれば,出先での用途はPsionのみでOKになる日も近そうである。

 設定も簡単であるので,つまる所も少ないであろう。また,今後はSSLへ対応して,@niftyなどへのアクセスを目指されたり,ローカルのHtmlもUTF-8に変換して開けるようにするといった目標も立てられているようだ。

 特に私は,色々なリファレンスやデーターなどをHtmlで持ち歩いているため,ローカルのHtmlの部分は非常に大きな期待を抱いている。

 今後,ますます楽しみである。

■ 関連するサイト

作者のかみと氏のページ
http://www.ask.ne.jp/~cars/

TonsUPのダウンロードページ
http://www.ask.ne.jp/~cars/psion/TonsUP.shtml

Keith Walker氏のサイト
http://www.starship.freeserve.co.uk/

Operaのサイト
http://www.opera.com/epoc/index.html

UniFEP V2を販売するエヌフォーのサイト
http://www.enfour.co.jp/inc.html

このようにインストールは非常に簡単に終了する。ファイルサイズも19KBと小さなものである

起動直後の画面

Operaブラウザを起動したところ

TonsUP+Operaで筆者のサイトを表示したところ

TonsUPで状況の確認もできる

TonsUPをプロキシに指定するセッティングはここから行う

各タブをこのように設定していく

彩音五郎

 HP100LXに始まり,HP200LX,ザウルス,Palm,MobileGear,Psion,Windows CEを渡り歩き,現在は Psion S5mx をメインで使用している。

 PDAの他にもデジカメ,携帯電話,ミニノートPCなど小さな物に目がない。つねに多数の携帯電脳を持ち歩く,肉体派Mobiler。現在カバンに入れているアイテムは以下のとおり。

 Psion S5mx / Zaurus ICRUISE / MobileGear II R730 / Digital IXY Hyper Hyde / MicroDrive / NM502i / KX-PH933Sこれらの紹介についてはいずれ。

kouha@chaos.to
http://www.chaos.to/

今までに使用したマシンの遍歴についてはこちら。
http://www.chaos.to/ayane/past.html

 Webサイトを日本語で見ることができるというのは,ちょっとした確認とか,掲示板への書き込みとか,さまざまな利用が考えられます。PSION自体が対応してくれていればいいわけだけれど,現状では解決までには時間がかかりそうです。そういった中では,なかなか楽しい試みだと思います。なお,revoでは,メモリ消費がぎりぎりのようで,できない方とか,大規模なサイトでは途中で切れてしまう方とかもいらっしゃるようです(弊誌では,残念ながらrevoを修理に出していたため確認しておりません)。

 なお,日本語ページをグラフィックで無理矢理日本語表示可能にするというすばらしいサイト「Shodouka」も,日本語表示ができないマシンでは非常にありがたいサイトです。もちろん,グラフィック表示なため,ちょっと重たいのが欠点といえば欠点ですが。

http://www.shodouka.com/


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